青山美佳の部屋

2010年8月28日 (土)

日本語教育学会世界大会@台湾で配布した資料

日本語教育学会世界大会@台湾。

開催されてから早くも1カ月がたとうとしています。

で、遅ればせながら、発表のときに掲示したポスターと、配布した教案を『中上級のにほんご on the WEB』にアップしました!(こんなブログもやってるんです……)。

『マンガで学ぶ日本語表現と日本文化 多辺田家が行く!!』(アルク刊)を使った授業案です。

すぐに授業に使えます。見てみてくださいね!!

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2010年7月28日 (水)

『マンガで学ぶ日本語表現と日本文化』を使った授業 夏編

毎日、暑い日が続きますね。皆さま、お元気でお過ごしでしょうか。

さて、ちょっとばかり、お付き合いを。

_先日7月24日(土)、NPO法人日本語教育研究所で、『マンガで学ぶ日本語表現と日本文化』を使って、実際にどんな授業ができるのか、授業アイディアを紹介する勉強会が開かれました。

講師は、日本語教育研究所の主任研究員であり、桜美林大学・国士舘大学で、学生を教えている武田聡子先生です。

『マンガで学ぶ~』は、創作集団にほんごが発行する『中上級のにほんご』に連載中のマンガ「多辺田家が行く!!」をまとめたもの。月刊誌に連載しているものなので、季節感にあふれたテーマが多くなっています。

今回の勉強会で、武田先生は、7月の「暑い夏は人も熱くなる?」(60~65ページ)と、8月の「夏を涼しく元気に!」(80~85ページ)を使った授業案を紹介してくださいました。

授業の最初に、受講生の方に、今回の勉強会の受講動機を聞いたところ、「マンガは使ってみたい。でも、どうやると効果的に使えるのか、そのヒントがほしい」という方が多かった。

中には、「多辺田が行く!!」を使って授業をされたことがある、という方もいたのですが、イマイチ、盛り上がらなくて、どうやったらうまく導入できるのか、聞きたい、という方もいらっしゃいました。

この勉強会では、武田先生が実際に、このマンガ教材を使って授業をされたときの教案を配布してくれます。それを使って、そのままもうすぐ、授業ができるようになっているのがスゴイ! 

しかも、模擬授業方式なので、実際に、どういうタイミングで、どういう質問を投げかけ、どういう流れで授業を展開するのか、見ているだけで気付きがたくさんあります。

私が聞いていて、なるほど、と思った例をいくつか。

●マンガのセリフの音読のさせ方

役を決めて読んでもらう、というのはすぐに思いつくでしょう。でも、誰がどの役をやるか、で時間をとってしまったり、セリフの数にばらつきがある場合、少ない人がダレることもある。そんな場合は、クラス全員1人ずつ、1セリフを読んでもらう方法も効果的ということ。全員に当たるので、緊張感も出るそうです。

●絵の瑣末な部分に関する質問への対処

マンガは、視覚情報が多いので、絵の細かい部分に目がいって、授業の大筋とは直接関係のない質問が出ることもあるそうです。

簡単に説明できるものなら、答えるべきですが、説明に時間がかかりそうだと思った場合は、「その場で、あまり深く説明しない」。

どうしても、説明しようと思ってしまいますが、それに引きずられすぎると、その日にやりたいと思ったことができなくなってしまうことも多いので、その場で対処するより、後で個別対応したほうが授業としてはスムーズに進められる、ということでした。クラスコントロールには、割り切りも必要なんですね。

たぶん、私が気付いた所と、受講生の皆さんが気付いた所は違うでしょう。

ほかの先生の授業を見る機会は、教えはじめてしまうと、あまりないので、貴重な機会にもなると思います。

また秋にも、秋にふさわしい話題を取り上げて勉強会は開催される予定。ぜひ、参加してみてください。

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2010年7月 1日 (木)

2010年7月号 訂正とお詫び

本日発売の2010年7月号におきまして、誤りがありました。

●12ページ:日本語クイズ 「海」の部分の呼び方

選択肢が2つ、落ちていました。

「波打ち際 水平線 湾 浜 海岸 磯 沖」

「波打ち際 水平線 湾 浜 海岸 磯 沖 入り江 岬

●14ページ:マンガでわかるニッポン 脚注

「どっこしょ」

「どっこしょ」

お詫びして、訂正いたします。

なお、12~13ページにつきまして、修正した原稿(PDF形式)を、アップいたします。お手数ですが、こちらからダウンロードしていただきますよう、お願い申し上げます。「1007_.pdf」をダウンロード 

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2010年6月 9日 (水)

『マンガで学ぶ日本語表現と日本文化』を使った授業

_創作集団にほんごが企画・編集した『マンガで学ぶ日本語表現と日本文化』。

この教材を使ってどんな授業ができるのか、実際の授業のアイディアを紹介する講座が、先日、日本語教育研究所で開催されました。

講師は、この本の監修者であり、単行本化するにあたって問題を作成してくださった武田聡子先生。

先生は、月刊誌『中上級のにほんご』創刊時から連載されている、このマンガの大ファンだということ。これまで主に大学生を対象に、さまざまな授業をしてこられ、その中から、とっておきの授業アイディアとともに、学生さんの反応などを紹介してくださいました。

この本の特徴は、月刊誌に連載されていたため、月ごとにふさわしいテーマが設定されていていること。
今回は、5月、6月のテーマを使った授業案です。

以下、私が授業を見学した中で気付かされたことを挙げてみます。

●マンガは子供っぽいから嫌、という学習者がいたら、どうするか
今回の受講生は、日本語学校やボランティア、大学で教えているという方々。マンガ教材は、使ってみたいのだけれど、大人や大学生の学習者からは、マンガなんて子供っぽくて嫌と、拒否反応を示されることが多い、という悩みが聞かれました。

武田先生からは、「一口にマンガといっても、内容によっては、とても深いテーマを扱っているものもある。日本文化の説明は、むしろ言葉だけより、マンガのほうがわかりやすいものもある。特に、この教材は、マンガの形はしているものの、扱っているテーマは大人むけであり、ふつうの教科書では扱っていないテーマだけれど、生活には必要なことが盛り込まれている。それを最初に、きちんと伝えて、質問項目を大人向けに配慮したものにすれば、マンガに対するイメージも変わり、だんだん面白さがわかって、授業にのってきますよ」ということ。

ポイントは、いかに学生の興味を引き出せる質問を設定できるか、だと理解しました。

●学習者からも学んじゃおう!
今回、扱ったのは、5月「こんなにあるの!? トイレの言い方」。
先生によると、学生が、「バイト先では、トイレに行くことを『2階に行ってきます』といいます」と話してくれたり、マンガに出てこない表現を紹介してくれたりすることも多いですよ」ということ。

さらに各国のトイレの習慣などの話にも話が広がって、とても盛り上がるテーマだということ。

学生から教えてもらうことも非常に多いですね。教えなくては、と思うと大変ですが、学生から、この本をきっかけに教えてもらおう、と思えば、気も楽になります。多国籍のクラスなら、学生同士も、お互いの国の文化を知るきっかけになりますよ」と、先生。

教師が持っている知識を学習者に教え込む、という授業スタイルは、学習者を受身にしてしまうし、先生も大変。だれでも、自分のことや自分の国のことは、話すことができるし、聞いてもらうのはうれしいもの。教材は素材だから、それを使っていかに学習者のアウトプットを引き出すか、それも教師の腕のみせどころだな、と思いました。

ただし、一部の国の出身者は、トイレについて話したがらない人もいるので、配慮が必要という受講生の方からの指摘もありました。

●オノマトペ学習にもマンガはぴったり!
日本のマンガに多いもの、それは「オノマトペ」。「きらきら」とか「がつがつ」などの言葉ですね。

先生は、「このマンガは、教材ということもあって、特にそのあたり、意識して描かれています。6月は雨の降り方や湿気や水分の多いことを表す表現やオノマトペがテーマなので、今の季節に扱うのにぴったり。言葉では伝えられないニュアンスが、マンガなら一発で理解させることができますよ」

先生は授業で、マンガに出てきたオノマトペを使って作文を書かせる活動をするということ。

「作文をするときのポイントは理由を書かせること。例えば、「じめじめ」という言葉を使って作文をするとしましょうふとんがじめじめしている』ではダメなんです。これでは、どういう状態のときに「じめじめ」が使われるのか、きちんと理解していない可能性がある『毎日雨が降るから、ふとんがじめじめしている』のように、前の部分も書くように指示しましょう。こうすることで、どういう状態のときに使われる表現なのか、しっかり理解させることができますし、教師も、学習者が理解しているかどうかがわかります」

なるほど。学習者から、いい例文を引き出すためには、教師の指示が的確でなければならない。今後、教材を作る上でも、非常に役立つ指摘でした。

ほかにも、まだたくさん、学んだことはあるのですが、長くなったのでこの辺で。

来月か再来月、また同じ講座が開催されます。今度は7、8月のマンガを使った授業案を紹介してくださるそうです。開催が決まったら、このブログでもお知らせします。

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2010年4月25日 (日)

日本語能力試験も仕分け対象に

行政刷新会議による「事業仕分け」。第2弾が23日金曜から始まりました。今回、仕分け対象となっているのは「独立行政法人」。

ニコ動やUstで中継され、その様子はすべて、見ることができます。

中継を見ていると、仕分け人は、その事業を行うことによって具体的にどんな効果があったのか、を尋ねる。独法側は、それに対し、事業の必要性や理念で応酬する。話、かみあわない。

さらに、役員に天下りが何人いるのか、報酬に見合うだけの働きをしているのか、など、ビシビシと仕分け人から質問が飛ぶ。それによって、どうにも働き方とつりあわぬ高い報酬を得ている役員がいることなどが、どんどん明らかになる。

自分とあまり関係のない事業については、「え~、なんでそんなにたくさん予算、つけなくちゃいけないの」「そりゃ、むだだろ。削ってよし」などと思う。

が、果たして自分に関係のある事業についても、そう思えるのか。

27日(火)は、「国際交流基金」の仕分けが行われます。仕分け対象となる事業が5つほどあって、その中に「日本語能力試験」も入っています。

時間は10時半から11時25分の予定で、ワーキンググループA(R舫議員がいるほう)です。タイムテーブルはコチラ

どういう議論がなされるのか、しっかり、見たいと思う。

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2010年4月20日 (火)

外国人でも読めるカタカナ、可愛らしすぎる!

一目見て、すごいって叫んじゃった! これまでありそうでなかったアイディア。→ コチラ

カタカナの中に、アルファベットで読み方が埋め込まれているフォントです。

可愛らしすぎる~

デザイン性にも優れているので、街の表示にも使ってもオサレな感じがします。

漢字バージョンもあったらいいのにね。でも、日本語は訓読みと音読みがあるから、難しいかな。

実はこの情報、ツイッターで知りました。ツイッターってこういう面白い情報を発信してくれる人がいるから、面白い。だから、ますます中毒になっちゃうんだけど。

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2010年4月13日 (火)

日本の葬式代は高すぎ!?

ネットで調べごとをしていたところ、こんな記事が目に入りました。

平均231万円日本の葬儀代  詐欺同然超高額のカラクリ」。

日本では葬式費用は平均で231万円かかる、という統計があるそうです(ヤバ! 私、今、死んだら、葬式出せない……)

でも、この値段、海外の金額と比べると、べらぼうに高いんだそうです。

特に死んだら付ける「戒名」が高い。戒名とは仏の弟子になったことを示すもの。日本人のお墓には、この文字があるはずです。今度お墓行ったら、見てみてね。

この戒名、実はランクがあって、男性なら「~大居士」→「~居士」→「~信士」の順に低く、女性なら「~清大姉」→「~大姉」→「~信女」の順に低くなる。

さらに「◯◯院」とか「◯◯院殿」とかつくと、さらに高いランクになる。参考URL→ コチラ

「高いランク」とは、すなわち、「高いお金がかかる」ということ。本来は仏の弟子になったら平等で、ランクなんてないはずなんだけれど、あの世に行っても要は金次第、ってことでしょうか。

「◯◯院殿◯◯~大居士」なんていうのになると、高級外車1台買えるぐらいのお金が必要なんだそうな。

葬儀費用にしても、棺桶代、祭壇代など、めちゃ高い値段を言われても、大切な家族が亡くなって精神的に動揺している家族は、いいなりになってしまうことも多い。それで高い費用がかかってしまう、というカラクリ。

1月に刊行された、島田裕巳著『葬儀は、要らない』(幻冬舎新書)に、そのあたり、詳しく出ているらしい。

買ってみたい1冊。

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2010年4月 3日 (土)

新しい日本語能力試験の問題集N1~N3、刊行した!

外国人の日本語学習者の日本語能力を測る「日本語能力試験」。

ご存知の方も多いと思いますが、2010年7月から大きく改定されて、新しい試験になります。

Cimg2744その予想問題集の作成に、青山(青山組)が関わり、この度、N1~N3が出揃いました。発行元は、国書刊行会です。

昨年、新試験のガイドブックが7月末に発表されて以降、ずっと問題作成をしてきて、やっと形になりました(年末年始の休みがヤマで、正月休み、なかった……

2月半ばにN1(赤い表紙)、2月末にN2(黄色い表紙)、そして、N3(青い表紙)が3月末に出ました。

新試験は、「文法や文字・語彙などの基礎的な言語知識とともに、それを運用して実際に課題を遂行するコミュニケーション能力があるかどうか」を測る試験になる、とガイドブックでは繰り返し、うたわれています。

これを反映して、試験全体の中で、これまで暗記すればある程度、点数を取ることが可能だった漢字や文法・語彙問題の比重が下がり、実際に読んだり聞いたりして問題をとく「読解」「聴解」の比重が高くなります。

各分野、バランスよく点数が取れないと、合格は難しくなるでしょう。コチラのサイトで、もっと詳しく説明してあるので、ご覧ください。

今回、出した問題集は、新試験の全体像がつかめるよう、全分野を網羅して作りましたが、特に聴解には結構、力を入れて、たくさん問題を作りました。CDもついてます。

新試験とは、どんな試験なのか、解説も付けた(英・韓・中訳付き)ので、まず、とっかかりとして使ってみていただければと思っています。

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2010年3月27日 (土)

EPAの看護師、3名国家試験合格!

昨日3月26日、看護師国家試験の発表がありました。

そして、EPAで来日した外国人看護師候補者254名受験した中から、3名が合格したというニュースがありました!→ コチラ

当初、制度的な問題もあって、だれも合格者が出ないのではないか、と危惧する声もあったこの制度。

合格した人は、本当に努力して勝ち取ったんだろうと思います。おめでとうございます。

一方で、251名は不合格だったということ。「わざわざ日本に呼んでおいて合格率1%以下なんて、制度設計が間違っているとしか考えられない」というMidogonpapaさんの指摘に、うーむ、となってしまった。

まだまだ課題は多いけれど、合格者の方はもちろん、支援された方には、心からおめでとうございます、と言いたいです。

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2010年3月24日 (水)

坂中英徳氏のブログ

グーグルアラートに「日本語教育」というキーワードを登録しておいたところ、配信されてきた情報。

元東京入国管理局の局長を務めた坂中英徳氏の2010年3月22日のブログ。「移民時代の日本語教育と多民族共生教育」。

記事では、地域に定住する外国人が増える中、言葉が壁になって日本社会に溶け込めず、非行に走る若者がいる、という出だしから始まり、彼らがうまく日本社会に溶け込み、日本人、外国人が互いにハッピーになるために何が必要か、が書かれています。

特に、日本語学校や日本語教師の活躍を期待する以下の言葉は、勇気が出ると思います。

以下、引用――

その場合、移民や移民二世に対する日本語教育は、日本語学校に中心的な役割を果たしてもらわなければならない。

なんといっても日本語学校には50年を超える日本語教育の歴史の中で培ってきた知的財産と人材がある。約400の日本語学校は長年の現場経験に基づき開発した日本語教育法のノウハウや日本語教材を持っている。

それに外国人を教育することでは真のプロの日本語教師を5000人も抱えている。

――引用ココマデ

引用部分だけでは、伝わらないと思うので、ぜひ、全文お読みください。

一方、2010年3月23日の朝日新聞朝刊一面には、母語を身に付ける頃に、言語環境の違う国で教育を受けることになり、日本語も母語のどちらも満足に読み書きできない「ダブルリミテッド」の子どもたちの問題も掲載されていました。

教材づくりをしている立場から、何かできることはないのか。「作りたい教材」ではなく「役立つ教材」とは、何なのか。

いろいろ考える春です。

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